パーソナルジムを開業・経営するうえで、防音対策は見落とせないポイントです。
マシンを扱う振動やトレーナーの掛け声など、さまざまな音が日々発生しやすく、これらが周囲に伝わると近隣住民や他のテナントから苦情が寄せられる可能性があります。防音対策をしっかり行うことで、周辺とのトラブルを未然に防ぎ、ジムの評判や利用者の快適性を守ることができるでしょう。
パーソナルジム開業・経営成功のためには、早い段階で防音を意識しておくことが重要です。
パーソナルジムは比較的少ない設備投資で始められるため、近年急増しています。
しかし、住宅街やビルの一室などに開業しやすいことから、従来想定されていなかった騒音トラブルが増えているのも事実です。たとえ小規模なジムであっても、トレーニングに伴う衝撃音や大声が響けば、周辺住民や他テナントへの迷惑となり、苦情・クレームに発展する可能性があります。
ひとたび騒音問題が深刻化すれば、営業継続が難しくなることもあり、経営に大きく影響するリスクをはらんでいます。
パーソナルジムから発生する音は多岐にわたり、人の声やマシンの稼働音、跳ねや衝撃など、想像以上に周囲へ影響を与えます。小規模でも壁や床を通じて振動が伝わるため、近隣とのトラブルを防ぐには対策が欠かせません。
ここからは、具体的にどのような騒音問題が起こりやすいかを見ていきましょう。
レッスン中のトレーナーの掛け声は、指導に熱が入るほど大きくなりがちです。グループレッスンでは複数の利用者が同時に声を出したり、飛び跳ねたりするため、音が一気に増幅してしまいます。こうした発声や運動時の振動は壁や床を介して周辺に伝わりやすく、騒音レベルが高まる原因になります。
防音性が低い建物では、トレーニングの熱気がそのまま騒音トラブルにつながるケースも珍しくありません。
ランニングマシンを複数台稼働させると、足音とモーター音が重なって大きな騒音や振動が発生します。
また、ダンベルやバーベルといった重量物を落とす際の衝撃音は非常に大きく、壁や床を震わせるほどの振動を周辺に伝えてしまいます。フリーウェイトエリアでは、思わぬタイミングで重りを落とすこともあるため、騒音対策を講じていないと近隣からの苦情に直結しかねないポイントとなります。
ジムが住宅街に隣接している場合、夜間に稼働するマシン音や利用者の声が住民の生活を脅かす懸念があります。
また、ビルやマンションなどの共同施設に入居している場合、上下階や隣室への騒音・振動の伝播が問題化しやすいです。建物構造によっては遮音性が低いケースもあり、十分な対策をしないと騒音トラブルが長期化するおそれがあります。
立地に合った防音計画を立てることが、パーソナルジムの安定経営のカギとなるでしょう。
騒音や振動に関する問題は、感情論だけで話し合うと平行線をたどりがちです。
そこで活用したいのが、騒音計や振動計を用いた「データの見える化」。客観的な数値を測定しておけば、近隣から苦情があった際も根拠をもとに冷静に対応できますし、どの時間帯やどのトレーニングがどれだけ音を発生させるかが明確になります。
また、音にはさまざまな種類や周波数帯があるため、「防音・遮音・吸音」の仕組みを理解しながら、適切な素材や対策を選ぶことが重要です。
防音とは、室内の音が外に漏れないようにするだけでなく、外の音も室内に聞こえないようにする概念です。防音を行うために遮音や吸音を理解し、遮音・吸音ができる素材などを使用して防音対策を行うことになります。防音はあくまでも概念なので、遮音と吸音をうまく組み合わせて防音対策を行うようにしましょう。
遮音とは、空気を伝わってくる音を跳ね返すことによって音を遮ることであり、遮音をきちんとすることよって防音対策を行うことができます。外に漏れる音が小さければその分、遮音効果が高いといえますが、音を跳ね返す効果によってあまり遮音性を高めてしまうと室内での音の反響が大きくなりすぎて、逆に良くありません。なぜなら、反響する音がうるさくて、室内での声や音がまともに聞こえなくなってしまうからです。そのため、遮音性を高めすぎるのは、やめておくほうが良いでしょう。
吸音とは、その名のとおり音を吸収することであり、音を吸収することで部屋の外に音を伝えないようにする方法です。グラスウールやウレタンフォームなどを使用することで音をしっかり吸収し、防音することができます。反射をしないので大きな音も出しやすいといえるでしょう。ただし、音が壁に届くとすべて吸収されてしまうため、吸音性を高めすぎると支障が出る場合もあります。そのため、程よく吸音する素材を選ぶことが大切です。
パーソナルジムがテナントビルなどに入っている場合は、あまり大掛かりな防音や防振工事ができない可能性があります。もともとパーソナルジムが入っていた場所であれば問題はないですが、そうではなく、なおかつ防音工事ができていないのなら、防音マットを床全体に敷くようにしましょう。マットの中には、防音機能、耐衝撃性、耐震性などのさまざまな機能を持つものもあります。厚みもいろいろなので、パーソナルジムに合った防音マットを選んでみてください。既存の床に敷くだけで簡単に防音ができることもあり、コストも抑えられます。
パーソナルジムの防音性を高めたいなら、内装をリフォームすることも重要です。テナントによっては工事しても問題ないところもあり、そういったところであれば、大掛かりな工事が可能なので防音対策がしやすいといえます。遮音材や吸音材にはさまざまな種類があるため、パーソナルジムに合った素材を選ぶことが大切です。内装材に関しては、防音が得意な業者に依頼することでふさわしい素材を紹介してくれます。
パーソナルジムの運営において、防音は周辺とのトラブルを避けるために欠かせない要素です。防音工事や防音マットの導入など、開業時からしっかり対策しておくことで、利用者も集中してトレーニングに打ち込むことができ、ジムの評判向上にもつながります。
騒音トラブルは一度発生すると解決まで時間と労力を要するうえ、経営にも大きな影響を与えます。早めの対策こそがパーソナルジムとして成功への近道です。防音を徹底することで、地域に根差した健全なジム経営を目指しましょう。
パーソナルジムの開業にあたり、機能や予算、アフターサポートなど、導入するマシンに求めたい要素はたくさんあるでしょう。
ここでは、パーソナルジム開業をする経営者のニーズに応えるおすすめの複合型マシン、特にスミスマシンのメーカーを3社取り上げています。
それぞれの特徴を紹介し、理想のジムの開業を応援します!